「見せてくれ!」F1初テストに批判が噴出した理由。厚いベールの裏側で、新ユニットと新チームに何が起きていたのか?
世界中のモータースポーツファンが注目する中、1月26日にスペインのカタルーニャサーキットで始まったF1第1回公式テストが、大きな議論を呼んでいます。例年であればメディアやファンに開放され、新マシンの咆哮を間近で体感できるのが恒例となっていましたが、今回は外部を遮断した「完全非公開」という異例の体制でスタートしました。SNS上では現地に駆けつけたファンから困惑の声が上がり、メディアからも抗議に近い批判が寄せられるなど、サーキット周辺は平穏なテスト走行とは言い難い騒動に包まれています。
なぜ、これほどまでに情報を隠す必要があるのでしょうか。そこには、新勢力の参入や自社製ユニットの導入といった、各チームが抱える「絶対に知られたくない弱み」が隠されているようです。今回のテストについて、現場から漏れ聞こえる情報を整理すると、以下のような状況が浮かび上がってきます。
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走行チーム:レッドブル、メルセデス、ハース、アルピーヌに加え、新参入のアウディとキャデラックを含む計7チーム。
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衝撃の走行距離:自前パワーユニット(PU)を搭載したレッドブルのアイザック・ハジャーが、初日から107周という驚異的な走り込みを見せ、1分18秒159のトップタイムを記録。
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浮き彫りとなった格差:一方で、新チームのキャデラックを駆るセルジオ・ペレスは1分25秒974に留まり、トップとは約8秒もの絶望的な大差がつく結果に。
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沈黙を貫く強豪:マクラーレンやフェラーリ、そしてホンダとタッグを組むアストンマーティンは、この日のコースインを見送るという異例の判断。
通常、バルセロナでのテストはファンがスタンドから見守り、メディアが詳細なラップタイムを報じるのが通例です。しかし、今回は施設外の丘から撮影を試みたメディアやファンが、警備員によって次々と排除されるという、物々しい厳戒態勢が敷かれました。こうした「完全シャットアウト」の背景には、性能不足やトラブルによる醜態を晒したくないチーム側への、過剰なまでの忖度が働いているといえるでしょう。
特に注目すべきは、トップと最後尾の間に生じた8秒というタイム差です。もちろん、テストの目的がデータ収集にあるとはいえ、新勢力の実力がこれほどまでに引き離されている現実は、関係者に大きな衝撃を与えています。こうした「不都合な真実」が公になることを恐れた結果が、今回の異例の措置に繋がったと言っても過言ではありません。
ファンからは「オープンな姿勢こそがF1の魅力だったはずだ」「なぜ非公開にするのか、見せてくれ」といった切実な批判が相次いでいます。チーム側のバイアスがかかった断片的な情報しか流されない現状は、モータースポーツの健全な発展を阻害しかねない危うさを孕んでいます。
ベールに包まれた各チームの本当の勢力図は、一体どのような姿をしているのでしょうか。この「沈黙のテスト」が、後に続くシーズンの勢力争いにどう影響していくのか。今後、この厚い壁の向こう側からどのような真実が漏れ伝わってくるのか、引き続き注視していく必要がありそうです。